どうも“とつとつ”です。
でも書きましたが、波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」は、私のお気に入りです。
定期的に何度も読み返している作品で、Kindleに入れていつも欠かさず持ち歩いています。
そんな「鬼平犯科帳」好きの私ですが、今日は、鬼平犯科帳第二巻「密偵(いぬ)」の読書後のあらすじと感想(ネタばれ)を書きたいと思います。
■過去の連載記事
鬼平犯科帳 第二巻
第二巻の収録作品は「蛇の目」・「谷中・いろは茶屋」・「女掏摸お富」・「妖盗葵小僧」・「密偵」・「お雪の乳房」・「埋蔵金千両」の7篇です。
「密偵」読書後のあらすじと感想
あらすじ
火盗改メの密偵(いぬ)として何不自由も無く幸せに暮らしている、〔ぬのや〕の弥市の前に昔の彼を知る乙坂の庄五郎が現れた。
庄五郎は、弥市に対して「荒金一味で人りだけ逃げた縄抜けの源七がお前の命を狙っている」と告げる。
庄五郎とは親分が違うとはいえ親密であったことから、弥市が荒金一味を裏切ったことも知っていた。
弥市にとって、女房のおふくと四歳になるおみよとの今の生活は何物にもかえがたいものであった。
弥市はたまらず、火付盗賊改方与力・佐嶋忠助と連絡をとり、すべてを語った。
だがこの後、再び乙坂の庄五郎が現れ、盗みを助けてくれないかという。
助けてくれれば、縄ぬけの源七の居所を教えるというのであった……
感想
第二巻・五話「密偵」です。
一度悪の道に嵌まると、改心しても過去のしがらみからは簡単には抜け出せないという、盗賊の悲しい性が描かれています。
乙坂の庄五郎が現れるまでの、弥市は過去を捨て、名前を捨てて、一膳めし屋〔ぬのや〕の亭主となっていました。
密偵ではありましたが、女房をもらい、四歳のおみよという娘もでき、何不自由も無く幸せに暮らしていました。
そんな弥市の運命を、読んでいて元盗賊の悲哀を感じずにはいられませんでした。
登場人物
- 〔ぬのや〕の弥市 - 密偵
- おふく - 弥市の女房
- 乙坂の庄五郎 - 盗賊
- 縄ぬけの源七 - 盗賊
- 山田市太郎 - 火付盗賊改方・同心
- 酒井祐助 - 火付盗賊改方・同心
- 佐嶋忠介 - 火付盗賊改方・与力
- 長谷川平蔵 - 火付盗賊改方長官
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次回予告
次回は、鬼平犯科帳 第二巻「お雪の乳房」の読書後のあらすじと感想(ネタばれ)を書きたいと思います。