どうも”とつとつ”です。
でも書きましたが、波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」は、私のお気に入りです。
定期的に何度も読み返している作品で、Kindleに入れていつも欠かさず持ち歩いています。
そんな「鬼平犯科帳」好きの私ですが、今日は、鬼平犯科帳 第四巻「五年目の客(ごねんめのきゃく)」の読書後のあらすじと感想(ネタばれ)を書きたいと思います。
■過去の連載記事
鬼平犯科帳 第四巻
第四巻の収録作品は「霧の七郎」・「五年目の客」・「密通」・「血闘」・「あばたの新助」・「おみね徳次郎」・「敵」・「夜鷹殺し」の八編です。
今回は鬼平犯科帳 第四巻「五年目の客」の読書後のあらすじと感想を書きたいと思います。
「五年目の客」の読書後のあらすじと感想
あらすじ
浅草・今戸橋に近い〔嶋や〕で小房の粂八を供に連れて、岸井左馬之助と気晴らしがてら酒を飲んだ長谷川平蔵。
その帰り際、一足先に舟を出す準備をしていた粂八が、今戸橋を渡っている四十がらみの商人ふうの男を見るよう、平蔵に囁いた。
男は遠州の大盗賊(おおもの)・羽佐間の文蔵の手下、江口の音吉という。
粂八が江口の音吉を尾行しようとするが、顔を知られているため、岸井左馬之助が音吉のあとをつけた。
尾行の最中、左馬之助は音吉が女と逢引するのを見た……。
感想
第四巻 2話「五年目の客」です。
この物語は、江口の音吉と旅籠〔丹波屋源兵衛〕の女房・お吉、両者の勘違い(江口の音吉はお吉が、浮気性な女と思い、お吉は江口の音吉への贖罪と思い)を描いています。
長谷川平蔵の親友・岸井左馬之助は火付盗賊改方の一員になったつもりで江口の音吉の尾行を買って出ます。
与力の佐嶋忠助らがいう通り、岸井左馬之助の探索ぶりや変装などとも、なかなか板について来ました。
この回では池波正太郎氏の本格の盗賊への賞賛と、その道から外れた盗賊への侮蔑が見えます。
文蔵は、あの〔蓑火の喜之助〕や〔海老坂の与兵衛〕などのように、盗みはするが、決して人を殺したり傷つけたりせぬことを信条とする本格の盗賊ではない。 盗むためには、なさけようしゃもなく殺傷をおこなうという兇盗なのだ。
また小房の粂八にはこうも語らせています。
羽佐間の文蔵のような男は、生まれつきの悪党なのでございますね。血を見ることをなんともおもわねえので……へい、ですからその、盗みに芸がございません。ちからずくで押し入り、人を殺しておいてから金をうばうという……
池波正太郎氏の盗賊に対する好意と侮蔑を窺い知ることができます。
登場人物
- お吉 - 丹波屋源兵衛の女房
- 江口の音吉 - 羽佐間の文蔵一味の盗賊
- 羽佐間の文蔵 - 盗賊
- 丹波屋源兵衛 - 旅籠〔丹波屋〕の主人
- 小房の粂八 - 密偵
- 山田市太郎 - 火付盗賊改方・同心
- 今井助次郎 - 火付盗賊改方・同心
- 岸井左馬之助 - 平蔵の剣友
- 長谷川平蔵 - 火付盗賊改方長官
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次回予告
次回は、鬼平犯科帳 第四巻「密通」の読書後のあらすじとコメント(ネタばれ)を書きたいと思います。