どうも“とつとつ”です。
でも書きましたが、波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」は、私のお気に入りです。
定期的に何度も読み返している作品で、Kindleに入れていつも欠かさず持ち歩いています。
そんな「鬼平犯科帳」好きの私ですが、今日は、鬼平犯科帳 第二巻「妖盗葵小僧(ようとうあおいこぞう)」読書後のあらすじと感想(ネタばれ)を書きたいと思います。
■過去の連載記事
鬼平犯科帳 第二巻
第二巻の収録作品は「蛇の目」・「谷中・いろは茶屋」・「女掏摸お富」・「妖盗葵小僧」・「密偵」・「お雪の乳房」・「埋蔵金千両」の7篇です。
「妖盗葵小僧」読書後のあらすじと感想
あらすじ
船宿〔鶴や〕に訳ありげな二人の客が来て、ただならぬ様子で話し合っていた。
この船宿は、平蔵の密偵・小房の粂八が亭主となり隠密活動をつづけている場所で、何か気になることがあれば、即座に平蔵のことろへ報告することになっていた。
二人の様子に不信を感じた粂八は、隠し部屋から様子を伺う。
訳ありげな二人の様子を伺い、その客の話しを推測すると、押し込みにあい、亭主の前で女房が盗賊に犯されるという事件であったらしい。
粂八が、このことを平蔵に伝えると「こいつは、お前と俺の二人で、そっと探りを入れてみよう」と平蔵がいった。
やがてこの盗賊が頻繁に出没するようになった。
しかもこの盗賊、葵の御紋を身にまとった不埒な輩であった。
だが、この〔葵小僧〕の足取りはようとしてつかめない。
平蔵を嘲笑うかのように犯行を繰り返す葵小僧。
平蔵の面目は丸つぶれとなり、火付盗賊改方の評判も落ちることとなった……
感想
第二巻・四話「妖盗葵小僧」です。
葵小僧は、平蔵が今まで対応してきた盗賊の中で一番の難敵でした。
被害件数、被害総額ともに今までの盗賊よりはるかに多い。
葵小僧は、被害先の妻や娘を凌辱することで、被害者の恥が世間に広まるのを恐れて事件を内密にすることまで計算づくでやっている。
長谷川平蔵の面目は丸つぶれとなり、一時期は火付盗賊改、二人体制という異例な処置も取られたほどでした。
悪戦苦闘しながらも最終的には、葵小僧を捕まえた。
平蔵はろくな取り調べもせず、被害者の行く末を考え、その日のうちに葵小僧の首をはねてしまった。
それについて非難の声が上がったか、長谷川平蔵は平然としてこう言い切る
「われら火付盗賊改方は、無宿無頼の輩を相手に、 めんどうな手つづきなしで刑事にはたらく荒々しき御役目。いわば軍政の名残りをとどめおるが特徴でござる。ゆえに、そのたてまえをもって此度の事件も処理いたした。もしも、それがいかぬと申さるるなら…」
火付盗賊改メを廃止したらよろしい、といい放った。
長谷川平蔵は被害者目線で物事を判断する、よい殿様です。
登場人物
- 鶴屋佐兵衛 - 葵小僧
- 天野太蔵 - 鶴屋の隠居
- 京屋善太郎 - 竜淵堂主人
- お千代 - 京屋善太郎の妻
- 桑原主膳 - 火付盗賊改メ
- 小房の粂八 - 密偵
- 岸井左馬之助 - 平蔵の剣友
- 酒井祐助 - 火付盗賊改方・同心
- 長谷川平蔵 - 火付盗賊改方長官
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